植物性凝固剤の代表といえば寒天、寒天は海藻を原料にした凝固剤です。
寒天ベースの凝固剤にはアガーやルカンテンウルトラがあります。
レッスンではルカンテンウルトラを使うことが多いのですが、生徒さんに「アガーで代用できますか?」とよくご質問があります。
それぞれの使用方法や固まり方などを比較してみました。
アガーとルカンテンウルトラの違い
どちらも海藻が原料ですが、アガーはスギノリ、ツノマタ、ルカンテンウルトラはテングサやオゴノリが原料です。
食感もアガーはぷるんとした食感で、ルカンテンウルトラはとろける食感です。
またアガーにはブドウ糖が加えられており、ルカンテンウルトラには粉飴が含まれています。
粉飴はデンプン(ルカンテンウルトラの場合はキャッサバ由来)を分解し、粉末状に加工したもので、甘みも低く白色で無臭の食品です。
アガーの特徴
90℃以上で溶け出し、室温で固まり始めます。
ダマになりやすいので砂糖に混ぜて液体に溶かしこみます。
透明度が高いのが特徴です。
ルカンテンウルトラの特徴
80℃以上で溶け出し、室温で固まり始めます。
顆粒なのでアガーに比べて溶けやすいのが特徴です。
寒天の20分の1の凝固力でゼラチンのような食感が特徴です。
コーヒーゼリーを作ってみました
二つの凝固剤でコーヒーゼリーを作り比較してみました。
比較するために液体に対する使用割合を2%とします。
【材料】
コーヒー 500g
砂糖 70g
凝固剤 10g(液体の2%)
【作り方】
40℃くらいに冷ましたコーヒーの半量を鍋に入れ、凝固剤と砂糖(アガーは砂糖とよく混ぜ合わせておく。)を入れて火にかける。
沸騰したら火からおろし、残りのコーヒーを合わせてカップに流して冷蔵庫で冷やし固める。
出来上がりの食感の比較
アガーのゼリーの食感はひとことでいうと、ブルンブルン、です。
固まり方がゼラチンのようにブルブルしています。
それでゼラチンよりも溶け出す温度が高いのは、持ち歩く場合に形が崩れずに最高ですね。
ルカンテンウルトラのゼリーの食感はひとことでいうと、お口で溶ける、です。
固まり方が柔らかで、お口の中でとろける食感です。
極限の柔らかさを追求したゼリー作りに使えるんじゃないでしょうか?
今回は比較するためにどちらも使用割合を2%としましたが、ルカンテンウルトラでゼリーを作る場合もう少し固さを出す時は、液体に対しての使用割合を2.5〜3%ぐらいで作るとゼラチンの食感に近づくと思います。
そのほかにチョコレートのムースやパンナコッタを作るときもこのとろける食感が活きてくると思います。
まとめ
アガーとルカンテンウルトラ、ゼリーを作るのであれば、ゼラチンと似た食感のアガーが私好みです。
またアガーで作るゼリーは透明感が出るので、フルーツを入れたゼリー寄せなどはきれいに仕上がりますね。
ルカンテウルトラはチョコレートや乳製品と相性が良く、とろけるムース、グラサージュなどに利用すると良いのではないでしょうか。
仕上がりが違ってくるので、一概に代用できるかといえばできないと答えます。
次回はムースで比較してみようと思います。
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