卵黄の凝固力と小麦粉やデンプンの糊化を利用して作るカスタードクリーム、フランス語で「クレーム・パティシェール」お菓子屋さんのクリームと呼ばれるほど様々なお菓子に使われるクリームです。
おいしいカスタードクリームの作り方をご紹介します。
カスタードクリーム 基本の作り方
※出来上がり約300g
牛乳 200g
グラニュー糖 50g
卵黄 60g(3〜4個分)
薄力粉 10g
コーンスターチ 10g
バニラビーンズ 1/4本 ※バニラペーストでもOK
使用するグラニュー糖は微粒子のものがおすすめ
牛乳は鍋に入れてグラニュー糖の半分を入れて沸騰させます。
ボウルに卵黄とグラニュー糖の半量を入れて泡立て器で混ぜます。
この時に使うグラニュー糖は製菓用の粒子の細かい微粒子グラニュー糖がおすすめです。
ダマになる原因の一つに材料がしっかりと混ざっていないことがあります。
私も以前は微粒子グラニュー糖ではなく普通のグラニュー糖を使用していましたが、微粒子グラニュー糖に変えてからはダマができることがなくなりました。
しっかり混ぜるとはいえ白っぽくなるまで混ぜる必要はありません。
卵の味を強く出したい場合は白っぽくなるまでまぜず、材料がしっかりと混ざればOKです。
バニラペーストは半分にカットし、ペティナイフで中をこそげ落として加えます。
さやからもバニラの香りが出るので、さやは牛乳に入れて沸騰させてください。
バニラペーストというバニラビーンズを使いペースト状にしたものが製菓材料店で購入できます。
ティースプーン1杯がバニラビーンズおよそ1本分、お手軽なのに本格的なバニラの風味を楽しむことができる優れものです。
小麦粉とコーンスターチは半々がベスト
グラニュー糖をしっかりと泡立て器を使って混ぜたら、その後薄力粉とコーンスターチを合わせたものを振るって加え、泡立て器でしっかりと混ぜます。
小麦粉だけ使うレシピもありますが、コーンスターチ(トウモロコシのデンプン)を使うことによってクリームに固さが出ます。
シュークリームやクリームパンに使うときはちょっと固めが良いと思います。
また小麦粉だけを使うことで、しっかりと混ぜることによりグルテンが出やすくなるので粘りや粉っぽさが出ます。
コシが切れるまで加熱します
牛乳が沸騰したら、卵とグラニュー糖を合わせたボウルに少しずつ加えて泡立て器で混ぜていきます。
いきなり注ぐと卵が焼けてしまう場合があるので少しずつ加えてくださいね。
その後、コシ網を通して鍋に戻し加熱します。
その時にバニラのさやは取り除きます。
加熱は中弱火で泡立て器で絶えず混ぜながら、鍋の周囲が焦げやすいのでそのあたりを中心に混ぜながら加熱していきます。
温度が上がってくるとどんどん粘りが出てきてクリーム状になってきます。
でもこの時点で火を止めず、さらに混ぜながら加熱すると、クリームのコシが切れる感覚があります。
糊化の作用を利用する
カスタードクリームはデンプンの糊化の作用を利用して作ります。
小麦粉のデンプンは95℃で粘りのピークを迎え、完全に糊化します。(コーンスターチはもう少し低い)
その後加熱し続けるとブレークダウンという現象が起きてデンプンの分子の一部が加熱によって断ち切られ、粘度が下がります。
これが「コシが切れた」感覚につながります。
このブレークダウンの粘度が下がった状態にしておかないと、クリームを冷却した時に粘度が上がり粘りの強い滑らかさにかけるクリームになってしまうからです。
出来上がったクリームはラップを密着させて冷ます
しっかりと加熱したらバットなどにあげて急いで冷却します。
表面にはぴったりと空気が入らないようにラップをしてください。
たるんだラップの内側に水滴ができると衛生面でよくありません。
水滴ができないようにラップはぴったりと密着させてください。
そしてクリームの温度は雑菌を繁殖させないために急冷してください。
上下に大きめの保冷剤を当てると早く温度が下がります。
ヘラを使って混ぜる
クリームがしっかりと冷えたらボウルに移してゴムベラで滑らかになるまで練ります。
ここで泡立て器を使ってしまうとクリームのコシが切れすぎてしまうので、ヘラで練ります。
ヘラは固めの素材のものを使うと練りやすいです。
他のクリームと合わせて使うのもおすすめ
出来上がったカスタードクリームと他のクリームを組み合わせると別の味わいになります。
カスタードクリームと泡立てた生クリームを合わせるクレーム・ディプロマットはシュークリームなどに、クリーム状にしたバターを合わせると濃厚なバタークリームになり、イチゴを使ったフレジエなどに使用します。
まとめ
カスタードクリームをダマにならずおいしく作るポイントは
- グラニュー糖は微粒子のものを使用し、しっかりと混ぜる
- 加熱するときはコシが切れるまで
- ラップをしっかりと密着させて急冷する
- クリームを練るときはヘラを使う
この記事が皆さまのお役にたてば嬉しいです。
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