フランスボルドー地方の伝統菓子、カヌレ・ド・ボルドー。
外側がカリッとしていて中はもっちり、私も大好きなお菓子です。
何年か前にブームがありましたが、最近も安定的に人気があるスイーツですよね。
今までは安価な型を使っていたのですが、今回思い切って本格的な銅製の型を購入しました。
本格的な型を買ったのだから作り方も本格的にしたい、今まで型の準備はバターを使っていたのですが、今回は昔ながらの型の準備に用いられる蜜蝋を使ってみました。
この蜜蝋が思いの外扱いづらい。
何度か失敗して私がこれがベストと思える蜜蝋を使ったカヌレの型の準備方法をについてご紹介します。
蜜蝋とは
最初にミツロウが使われるようになったお話をしますと、フランスの古典菓子は修道院から生まれたものが多いんです。
このカヌレも修道院生まれで、当時の修道院はミツバチを飼育してロウソクやハチミツを作っていたそうです。
蜜蝋はミツバチの巣を構成する時に働きバチが分泌するロウのことです。
本格的な作り方は未精製の物を使うそうです。
購入方法
蜜蝋は今回のように食用で使う場合やハンドクリームやリップクリームなどの化粧品に使う場合、家具のワックスに使う場合があるので購入するときはよく確認してください。
食用のものは富澤商店さんで少量のもの(20g)が販売されていますが、効率よく型の準備をする場合は量が少なすぎます。
10個のカヌレ型に効率よく蜜蝋を流すためには100gくらいあるといいと思います。
型はこちらで購入しました。
蜜蝋を使ったカヌレの型の準備方法
準備するもの
まずは器具を用意します。
蜜蝋を溶かす容器に計量カップ、揚げ物用のステンレストレーと網、それから軍手、新聞紙なども用意します。
計量カップやトレーなどは100円ショップのものでOKです。
トレーの下にオーブンペーパーを敷いておきます。
蜜蝋を溶かす
蜜蝋は計量カップに入れてオーブンで溶かします。
その時にカヌレ型も一緒に温めておきます。(150℃くらいの温度)
カヌレ型が冷えているとすぐに蜜蝋が固まって型に分厚く付いてしまうので必ず温めておいてください。
溶けた蜜蝋をカヌレ型いっぱいに注ぎ(ここポイントです)、すぐに別のカヌレ型に移してステンレス製の網に逆さにしておきます。
型を逆さに置くことによって余分な蜜蝋は下のオーブンペーパーに落ち、型に蜜蝋を薄く付ける事ができます。
この作業を全部の型に繰り返した後にもう一度オーブンに入れて余分な蜜蝋を落とします。
蜜蝋は熱くなっているので軍手を着けて気をつけて作業してください。
オーブンから出して蜜蝋が固まったら、型の上部の蜜蝋が溜まっている部分はペティナイフなどで削っておきます。
蜜蝋が分厚く型についているとその部分がきれいに焼き色が付かず白く残ってしまいます。
これで型の準備は終了です、意外と簡単ではないですか?
後片付けの方法
蜜蝋を使った型の準備は後片付けが大変です。
計量カップなどにロウが付くと洗って取り除くことはできないので、器具は専用にしておくと良いと思います。
計量カップに残った蜜蝋は、次回使うためにそのまま固めておきます。
ステンレスのトレーはオーブンシートを敷いて、固まった蜜蝋を剥がして次回使いましょう。
固まった蜜蝋はオーブンペーパーからきれいに剥がれてノンストレス。
これだけでかなり後片付けが楽になります。
ステンレスの網は、面倒ですがフォークなどを使ってロウをこそげ落としておきましょう。
銅製の型は空焼きするのがおすすめ
銅製の型は購入店によっては空焼きしなくてOKとなっている場合もありますが、絶対に空焼きした方が良いです。
私はそのまま空焼きせずにバターを塗って使ったら思いっきり焦げ付いてしまいました。
購入したらまず空焼き、その後はとても型離れが良くなり、使用後は乾いた布で拭き取ればOKです。
焦げ付いて水洗いした場合はもう一度空焼きをしてください。
錆びやすいのでできるだけ水で洗わない方が良いですね。
銅製の型の空焼き方法
現在ネットなどで手に入るものは内側がスズメッキになっています。
スズの融点(231℃)を超えると溶け出すので、内側に油(サラダ油など)を塗って網の上に逆さにして190〜200℃で15分ほど焼きます。
それだけで驚くほど型離れが良くなりました。
蜜蝋じゃなくバターを使った型の準備方法
蜜蝋は後片付けが面倒だし、手軽に購入できない!
バターで全く問題ありません。
柔らかくクリーム状にしたバターをハケで型に薄く塗ってください。
バターを塗る時もハケで薄く塗り、分厚くならないように注意です。
ハチミツを塗ったりグラニュー糖をまぶしたりするレシピもありますが、これは糖分で表面を軽く焦がす役割じゃないかなと思います。(多分)
ハチミツなどはなくてもバターだけで十分です。
今回は今まで使っていたシリコン加工のものも蜜蝋で型の準備をしたのですが、こちらはムラなく蜜蝋が付かず、型離れもよくありませんでした。
バターの時はすごく型離れが良いのに、型によって向いている方法が違うんだということがわかってラッキーでした。
まとめ
蜜蝋は思ったより扱いよりも後片付けが大変でした。
ですが本格的な銅製の型で本格的な蜜蝋でカヌレを作ってみたい、そんな情熱がある方はぜひ蜜蝋で作ってみてください。
スチールにシリコン加工の型はバターを塗る方が型離れが良いです。
また、シリコン加工のものは失敗が少ないので、まずは焼いてみたいという方にはおすすめです。
シリコン加工のものはこちらを使っています。
カヌレ作りが面白くなって今後長く使いたいなと思ったら、高いけれど(銅製1個約1000円、スチールにシリコン加工1個約300円)銅製がおすすめかなと思います。
シリコン加工は永遠ではなく、使っているうちにどんどん剥がれてもきますし。
私も蜜蝋を大量に購入しましたのでこれからもバンバン焼いてきますよ。
銅製のカヌレ型もこれから少しづつ買い足していきます。
もう少し確立したらレシピも上げていきますね。
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