私が主催しているお菓子教室『プチタプチ』では、フランス菓子だけではなくマクロビオティックスイーツ(動物性原材料を使わないお菓子)のレッスンもあります。
そのレッスンでは凝固剤として動物の骨や皮を原材料とするゼラチンを使用せず、寒天を使います。
ルカンテンウルトラは寒天をベースにした凝固剤で、寒天ほど凝固力が強くなく、とろけるような食感を作ることができ、注目の凝固剤です。
今回は、ゼラチンとルカンテンウルトラでチョコレートムースを作り、その食感を比較し、ルカンテンウルトラの特徴や使用時の注意点などをご紹介します。
ルカンテンウルトラとは
伊那食品工業が製造販売する製菓用寒天で、一般的に寒天は凝固力が強く、つるんとして崩れる食感が特徴ですが、ゲル化の強度を調整して滑らかでとろっとしたとろける口どけを作ることができます。
溶解温度は80℃以上で、30〜40℃で凝固が始まります。
ゼラチンよりも溶解温度が高いため、夏場でも常温で溶け出すことがありません。
チョコレートムース作り方
以下のレシピでそれぞれの凝固剤でチョコレートムースを作ります。
ルカンテンウルトラで作る場合の注意点
ルカンテンウルトラはゼラチンに比べて溶解温度(80℃以上)が高いので、上記の作り方の1の工程で最初に牛乳に加えて80℃以上になるまで加熱してください。
また、ゼラチンに比べて固まり始める温度(凝固温度)が高いので、上記の作り方の3の工程でチョコレートと生クリームを合わせる時の温度を40℃前後にすると失敗なくできます。
またムースが出来上がった時点ですでに固まり始めているので、そのまま流し込むときれいに容器に詰めることができません。
使い捨ての絞り袋などに詰めて、容器に絞り出すときれいにできます。
絞り袋は100円均一ショップなどで購入できるものでOKです。
食感の比較
見た目では寒天は白っぽく、ルカンテンウルトラは明るい色合いになりました。
ルカンテンウルトラで固めるゼリーが白濁することと何か関係があるんでしょうか?
次に食感を比較してみます。
ルカンテンウルトラで作ったチョコレートムースは、ゼラチンで作ったものよりも少しだけゆるさを感じます。
スプーンですくってみると、どちらもしっかり跡が残る程度に固まっています。
以下、アップ画像です。
口どけはどちらも滑らかで、溶けるようです。
アップ画像で見ると、ルカンテンウルトラで作ったものの方が固まりがゆるい分、よりクリーミーだということがが伝わるでしょうか?
他には特に大きな違いが見当たりません。
ルカンテンウルトラはゼラチンの代用になるのか?
ルカンテンウルトラはゼラチンの代用になります。
私の印象では同じ割合ではルカンテンウルトラの方が凝固力は弱い印象です。
それでも容器に入れて作るムースとしては十分成り立ちます。
ルカンテンウルトラの強度を上げる場合は、ルカンテンウルトラの量を1%ほど増やして調整してください。
また、ルカンテンウルトラでゼリーなどを作る場合は、液体100gに対して2%〜2.5%の量で作るのがおすすめです。
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